平成22年権利関係

1.

制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、婚姻していない未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。

2

成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却するためには家庭裁判所の許可が必要である。

3

被保佐人については、不動産を売却する場合だけでなく、日用品を購入する場合も保佐人の同意が必要である。

4

被補助人が法律行為を行うためには、常に補助人の同意が必要である。

 

2.

AがA所有の甲土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。

1

Aが死亡した後であっても、BがAの死亡を知らず、かつ、知らないことにつき過失がない場合には、BはAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。

2

Bが死亡しても、Bの相続人はAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。

3

18歳であるBがAの代理人として甲土地をCに売却した後で、Bが18歳であることをCが知った場合には、CはBが未成年者であることを理由に売買契約を取り消すことができる。

4

Bが売主Aの代理人であると同時に買主Dの代理人としてAD間で売買契約を締結しても、あらかじめ、A及びDの承諾を受けていれば、この売買契約は有効である。

 

3.

所有権及びそれ以外の財産権の取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1

土地の賃借権は、物権ではなく、契約に基づく債権であるので、土地の継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在したとしても、時効によって取得することはできない。

2

自己の所有と信じて占有している土地の一部に、隣接する他人の土地の筆の一部が含まれていても、他の要件を満たせば、当該他人の土地の一部の所有権を時効によって取得することができる。

3

時効期間は、時効の基礎たる事実が開始された時を起算点としなければならず、時効援用者において起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。

4

通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

 

4.

AがBから甲土地を購入したところ、甲土地の所有者を名のるCがAに対して連絡してきた。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1

CもBから甲土地を購入しており、その売買契約書の日付とBA間の売買契約書の日付が同じである場合、登記がなくても、契約締結の時刻が早い方が所有権を主張することができる。

2

甲土地はCからB、BからAと売却されており、CB間の売買契約がBの強迫により締結されたことを理由として取り消された場合には、BA間の売買契約締結の時期にかかわらず、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。

3

Cが時効により甲土地の所有権を取得した旨主張している場合、取得時効の進行中にBA間で売買契約及び所有権移転登記がなされ、その後に時効が完成しているときには、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。

4

Cは債権者の追及を逃れるために売買契約の実態はないのに登記だけBに移し、Bがそれに乗じてAとの間で売買契約を締結した場合には、CB間の売買契約が存在しない以上、Aは所有権を主張することができない。

 

5.

AはBから2,000万円を借り入れて土地とその上の建物を購入し、Bを抵当権者として当該土地及び建物に2,000万円を被担保債権とする抵当権を設定し、登記した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているのはどれか。

1

AがBとは別にCから500万円を借り入れていた場合、Bとの抵当権設定契約がCとの抵当権設定契約より先であっても、Cを抵当権者とする抵当権設定登記の方がBを抵当権者とする抵当権設定登記より先であるときには、Cを抵当権者とする抵当権が第1順位となる。

2

当該建物に火災保険が付されていて、当該建物が火災によって焼失してしまった場合、Bの抵当権は、その火災保険契約に基づく損害保険金請求権に対しても行使することができる。

3

Bの抵当権設定登記後にAがDに対して当該建物を賃貸し、当該建物をDが使用している状態で抵当権が実行され当該建物が競売された場合、Dは競落人に対して直ちに当該建物を明け渡す必要がない。

4

AがBとは別に事業資金としてEから500万円を借り入れる場合、当該土地及び建物の購入代金が2,000万円であったときには、Bに対して500万円以上の返済をした後でなければ、当該土地及び建物にEのために2番抵当権を設定することはできない。

 

6.

両当事者が損害の賠償につき特段の合意をしていない場合において、債務の不履行によって生じる損害賠償請求権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1

債権者は、債務の不履行によって通常生ずべき損害のうち、契約締結当時、両当事者がその損害発生を予見していたものに限り、賠償請求できる。

2

債権者は、特別の事情によって生じた損害のうち、契約締結当時、両当事者がその事情を予見していたものに限り、賠償請求できる。

3

債務者の責めに帰すべき債務の履行不能によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求し得る時からその進行を開始する。

4

債務の不履行に関して債権者に過失があったときでも、債務者から過失相殺する旨の主張がなければ、裁判所は、損害賠償の責任及びその額を定めるに当たり、債権者の過失を考慮することはできない。

 

7.

民法第423条第1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1

債務者が既に自ら権利を行使しているときでも、債権者は、自己の債権を保全するため、民法第423条に基づく債権者代位権を行使することができる場合がある。

2

未登記建物の買主は、売主に対する建物の移転登記請求権を保全するため、売主に代位して、当該建物の所有権保全登記手続を行うことができる場合がある。

3

建物の賃借人は、賃貸人(建物所有者)に対し使用収益を求める債権を保全するため、賃貸人に代位して、当該建物の不法占有者に対し当該建物を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。

4

抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占有者に対しその不動産を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。

 

8.

保証に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1

保証人となるべきものが、主たる債務者と連絡を取らず、同人からの委託を受けないまま債権者に対して保証したとしても、その保証契約は有効に成立する。

2

保証人となるべき者が、口頭で明確に特定の債務につき保証する旨の意思表示を債権者に対してすれば、その保証契約は有効に成立する。

3

連帯保証ではない場合の保証人は、債権者から債務の履行を請求されても、まず主たる債務者に催告すべき旨を債権者に請求できる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又は行方不明であるときは、この限りではない。

4

連帯保証人が2人いる場合、連帯保証人間に連帯の特約がなくても、連帯保証人は各自全額につき保証責任を負う。

 

9.

契約の解除に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。

(判決文)

 同一当事者間の債権債務関係がその形式は甲契約及び乙契約といった2個以上の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連付けられていて、社会通念上、甲契約又は乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、甲契約上の債務の不履行を理由に、その債権者が法定解除権の行使として甲契約と併せて乙契約をも解除することができる。

1

同一当事者間で甲契約と乙契約がなされても、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていないのであれば、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除できるわけではない

2

同一当事者間で甲契約と乙契約がなされた場合、甲契約の債務が履行されることが乙契約の目的の達成に必須であると乙契約の契約書に表示されていたときに限り、甲契約上の債務の不履行を理由に甲契約と併せて乙契約をも解除することができる

3

同一当事者間で甲契約と乙契約がなされ、それらの契約の目的が相互に密接に関連付けられていても、そもそも甲契約を解除することができないような付随的義務の不履行があるだけでは、乙契約も解除することはできない

4

同一当事者間で甲契約(スポーツクラブ会員権契約)と同時に乙契約(リゾートマンションの区分所有権の売買契約)が締結された場合に、甲契約の内容たる屋内プールの完成及び供用に遅延があると、この履行遅延を理由として乙契約を民法第541条により解除できる場合がある。

 

10.

遺言に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

自筆証書遺言は、その内容をワープロ等で印字していても、日付と氏名を自書し、押印すれば、有効な遺言となる。

2

疾病によって死亡の危急に迫った者が遺言をする場合には、代理人が2名以上の証人と一緒に公証人役場に行けば、公正証書遺言を有効に作成することができる。

3

未成年であっても、15歳に達した者は、有効に遺言をすることができる。

4

夫婦又は血縁関係がある者は、同一の証書で有効に遺言をすることができる。

11.

借地借家法第23条の借地権(以下この問において「事業用定期借地権」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

事業の用に供する建物の所有を目的とする場合であれば、従業員の社宅として従業員の居住の用に供するときであっても、事業用定期借地権を設定することができる。

2

存続期間を10年以上20年未満とする短期の事業用定期借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によらなくても、書面又は電磁的記録によって適法に締結することができる。

3

事業用定期借地権が設定された借地上にある建物につき賃貸借契約を締結する場合、建物を取り壊すこととなるときに建物賃貸借契約が終了する旨を定めることができるが、その特約は公正証書によってしなければならない。

4

事業用定期借地権の存続期間の満了によって、その借地上の建物の賃借人が土地を明け渡さなければならないときでも、建物の賃借人がその満了をその1年前までに知らなかったときは、建物の賃借人は土地の明渡しにつき相当の期限を裁判所から許与される場合がある。

 

12.

Aは、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間2年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約(以下この間において「本件契約」という。)をBと締結して建物の引渡しを受けた。この場合における次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1

本件契約期間中にBが甲建物をCに売却した場合、Aは甲建物に賃借権の登記をしていなくても、Cに対して甲建物の賃借権があることを主張することができる。

2

AがBとの間の信頼関係を破壊し、本件契約の継続を著しく困難にした場合であっても、Bが本件契約を解除するためには、民法第541条所定の催告が必要である。

3

本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約であって、造作買取請求権を排除する特約がない場合、Bの同意を得てAが甲建物に付加した造作については、期間満了で本件契約が終了するときに、Aは造作買取請求権を行使できる。

4

本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約であって、賃料の改定に関する特約がない場合、契約期間中に賃料が不相当になったと考えたA又はBは、賃料の増減額請求権を行使できる。

13.

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1

専有部分が数人の共有に属するときは、規約で別段の定めをすることにより、共有者は議決権を行使すべき者を2人まで定めることができる。

2

規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。

3

敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、規約で別段の定めがあるときを除き、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができる。

4

集会において、管理者の選任を行う場合、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。

14.

不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1

登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。

2

登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。

3

登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもののほか、登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたものを請求することもできる。

4

送付の方法による登記事項証明書の交付を請求する場合は、電子情報処理組織を使用して請求することができる。

 

解答

1.

正解: 2

1 誤 婚姻していない未成年者が土地を単独で有効に売却するには、法定代理人の同意を得なければなりません。法定代理人の同意がない場合、取消しの対象となります。

2 正 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物について、売却等の処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければなりません。

3 誤 被保佐人が不動産の売却する場合は、大きな損害を受ける可能性があるので、保佐人の同意が必要です。しかし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、そのような心配は少ないので、単独ですることができます。

4 誤 被補助人は単独で法律行為をすることができます。ただし、家庭裁判所により補助人の同意が必要と審判された法律行為については、補助人の同意が必要です。

 

 

2.

正解: 4

1 誤 本人Aの死亡により、代理人Bの代理権は消滅します。これは善意無過失であっても変わりません。そのため、Bの行為は無権代理行為となるので、Bは、有効に甲土地を売却することはできません。

2 誤 代理人が死亡すると、その代理権は消滅し、相続することはできません。したがって、Bの相続人は、Aの代理人として有効に甲土地を売却することはできません。

3 誤 代理人は行為能力を要件としていないので、未成年者がなることもできます。したがって、本肢の行為は無権代理となっているわけでもありませんので、相手方Cが、代理人が未成年者であることを理由として、代理行為を取り消すことはできません。

4 正 原則として、同一人が契約当事者双方の代理人になることはできません(双方代理は禁止されます)。ただし、当事者双方の許諾を得ている場合は、当事者双方の代理人になることができます。

 

 

3.

正解: 1

1 誤 土地の賃借権は、債権ですが、その実態は物権に極めて近いですので、物権と同様に、土地の継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在する等の要件を満たせば、その土地の賃借権を時効で取得することができます。

2 正 所有の意思をもって平穏かつ公然に他人の土地を一定期間継続して占有すれば、その土地の所有権を時効取得することができます。そして、一筆の土地の一部についても時効取得は成立します。

3 正 時効期間は、「時効の基礎たる事実が開始された時」を起算点としなければなりません。時効の援用権者が起算点を任意に選択して、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできません。

4 正 通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができます。

 

 

4.

正解: 3

1 誤 Bが甲土地をAとCに二重に譲渡した場合、先に登記を備えた方が所有権の取得を対抗することができます。契約締結の時期は、関係ありません。

2 誤 CがBの強迫を理由に売買契約を取り消すより前に、Aが甲土地を取得していた場合(「取消前の第三者」の場面)、Cは、登記がなくても、Aに対して所有権を対抗することができます。他方、Cの取消しより後にBがAに甲土地を譲渡した場合は、CとAとは、先に登記を備えた方が所有権を対抗することができる関係になります(「取消後の第三者」の場面)。したがって、B・A間の契約の時期によって、CとAの関係は異なります。

3 正 Aは、Cが甲土地を時効取得する前に所有者となっています(いわゆる「時効完成前の第三者」の場面)。この場合、AとCは、取得時効に関して当事者の関係となりますので、Cは、登記がなくても、Aに対して時効取得による所有権を対抗することができます。

4 誤 売買契約の実態はないのにCから登記の移転を受けたBは、架空の名義人であり、単なる無権利者にすぎません。もっとも、架空の所有者を作り出したことについて所有者Cに責任がある場合、善意の第三者は保護されます。したがって、AがBの登記を信頼してBと取引をしたのであれば、所有権をCに対抗することができます。

 

 

5.

正解: 4

1 正 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後によります。したがって、Cの抵当権の登記がBの抵当権より先にされていれば、その設定契約の時期にかかわらず、Cが1番抵当権者となります。

2 正 抵当権は、その目的物の滅失または損傷によって債務者が受けるべき金銭等に対しても、行使することができます(物上代位)。

3 正 抵当権の設定登記後に行われた賃貸借は、抵当権者に対抗できません。もっとも、競売手続きの開始前から使用収益をする賃借人には、競売における買受人の買受けの時から6ヵ月間の明渡猶予期間が認められています。

4 誤 抵当権の設定は、抵当権者と抵当権設定者の契約で行われます。法的には不動産の価格や被担保債権の残額等による制約はありません。

 

 

6.

正解: 3

1 誤 債権者は、債務不履行によって通常生ずべき損害(通常損害)については、予見していたか否かに関わらず、賠償請求できます。

2 誤 債権者は、特別の事情によって生じた損害(特別損害)については、債務不履行時に、当事者がその事情を予見し、または予見することができたものに限り、賠償請求をすることができます。

3 正 債務の履行不能による損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求することができた時から、その進行を開始します。

4 誤 債務不履行に関して債権者にも過失があった場合、裁判所は、これを考慮して損害賠償の責任及びその額を定めます。債務者から過失相殺する旨の主張がなくても裁判所は過失相殺をします。

 

 

7.

正解: 1

1 誤 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができます(債権者代位権)。もっとも、債務者が既に自ら権利を行使しているときは、債権者代位権を行使することはできません。

2 正 所有権の移転の登記の請求権の保全のために、登記されていない建物の買主が、売主がすべき登記の申請を代位して行うことが認められています。

3 正 建物賃借人は、賃貸人の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使して、不法占有者に対して直接自己に明け渡すよう請求することができます。

4 正 抵当権者は、抵当不動産の所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占有者に対して、直接自己へ明渡しを請求することができます。

 

 

8.

正解: 2

1 正 保証契約は、債権者と保証人との間で行われますから、主たる債務者からの委託を受けないまま債権者に対して保証したとしても、有効に成立します。

2 誤 保証契約は、書面で締結しなければ効力を生じません。したがって、口頭で契約した場合、保証契約は有効に成立しません。

3 正 保証人は、債権者からの請求に対し、まず主たる債務者に請求するよう主張できます(催告の抗弁権)。ただし、この催告の抗弁権は、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたときや行方不明なときは、行使することができません。

4 正 連帯保証人には分別の利益がありません。したがって、連帯保証人が2人いる場合、各連帯保証人は債務全額について保証債務を負います。

 

 

9.

正解: 2

1 正 同一の当事者間に2個以上の契約があり、契約の一方に債務不履行があったために全体として契約をした目的が達成できないというような密接的な関連性が認められるときは、一方の債務不履行を理由に他方の契約も解除できます。そのような関連性がなければ、一方の契約の債務不履行を理由に他の契約も解除できるわけでありません。

2 誤 契約書に関連性の記載がなくても、社会通念上から密接的な関連性が認められれば、1個の契約の債務不履行を理由に、他の契約を解除することが認められます。

3 正 甲契約の解除が認められないような付随的義務の不履行があるだけの場合、「甲契約又は乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合」とはいえませんので、乙契約も解除することができません。

4 正 スポーツクラブ会員権契約の内容となっている屋内プールの完成・供用に遅延がある場合、その会員権契約を解除する理由となります。それとリゾートマンションの区分所有権の売買契約とに、社会通念上密接的な関連性があると認められれば、リゾートマンションの売買契約についても解除できます。

 

 

10.

正解: 3

1 誤 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。ワープロ等で印字したものは無効となります。

2 誤 公正証書遺言は、証人2名以上の立会いの下、遺言者本人が遺言の趣旨を公証人に口授して行います。代理人によって作成することはできません。なお、疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人3人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授してすることができるという特別の方式があります。

3 正 未成年者であっても、15歳に達した者は、有効な遺言をすることができます。

4 正 夫婦や血縁関係にある者であっても、2名以上の者が同一の証書で遺言をすることはできません。

 

 

11.

正解: 4

1 誤 事業用定期借地権は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的として設定することができます。従業員の社宅である居住用建物を所有する目的では、設定することができません。

2 誤 事業用定期借地権は、10年以上50年未満で存続期間を定めて設定することができますが、公正証書によって契約を締結しなければなりません。

3 誤 取り壊し予定の建物賃貸借は、取り壊すべき事由を記載した書面でしなければなりませんが、公正証書による必要はありません。

4 正 借地上の建物の賃借人が、借地権の存続期間の満了によって土地を明け渡すべき場合であっても、建物の賃借人がその満了をその1年前までに知らなかったときは、裁判所は、建物の賃借人の請求により、賃借人がこれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができます。

 

 

12.

正解: 2

1 正 建物の賃借権は、登記がなくても、建物の引渡しがあれば対抗力を有します。したがって、引渡しを受けている賃借人Aは、Cに賃借権を対抗できます。

2 誤 賃借人Aが賃貸人Bとの信頼関係を破壊し、賃貸借契約の継続を著しく困難な状況にした場合は、Bが契約を解除するために、相当の期間を定めた催告をする必要はありません。

3 正 造作買取請求権を排除する特約がない限り、賃借人Aは、賃貸人Bの同意を得て付加した造作について、期間満了時に買取りを請求することができます。

4 正 定期建物賃貸借契約であっても、契約期間中に賃料が不相当になった場合、当事者は借賃の増減を請求することができます。

 

 

13.

正解: 4

1 誤 専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者1人を定めなければなりません。これについて、規約で別段の定めをすることはできません。

2 誤 規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生じます。

3 誤 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができません。ただし、規約で別段の定めをすれば、分離処分を可能とすることができます。

4 正 規約に別段の定めがない限り、管理者の選任・解任の決議は、普通決議で行います。したがって、区分所有者及び議決権の各過半数で決します。

 

 

14.

正解: 1

1 誤 電磁的記録をもって作成された登記事項証明書はそもそも存在せず、その交付を請求することもできません。

2 正 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記事項証明書の交付を請求することができます。ですから、登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はありません。

3 正 登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもの(全部事項証明書)のほか、登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたもの(現在事項証明書)を請求することもできます。

4 正 送付の方法による登記事項証明書の交付の請求(郵送による請求)は、電子情報処理組織を使用して(インターネット等を利用して)行うことも可能です。

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