平成21年 権利関係

 

1.

民法第95条本文は、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1

意思表示をなすに当たり、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

2

表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、民法第95条に基づく意思表示の無効を主張する意思がない場合は、第三者がその意思表示の無効を主張することはできない。

3

意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容とし、かつ、その旨を相手方に明示的に表示した場合は、法律行為の要素となる。

4

意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容としたが、その旨を相手方に黙示的に表示したにとどまる場合は、法律行為の要素とならない。

2.

AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

Bが自らを「売主Aの代理人B」ではなく、「売主B」と表示して、買主Cとの間で売買契約を締結した場合には、Bは売主Aの代理人として契約しているとCが知っていても、売買契約はBC間に成立する。

2

Bが自らを「売主Aの代理人B」と表示して買主Dとの間で締結した売買契約について、Bが未成年であったとしても、AはBが未成年であることを理由に取り消すことはできない。

3

Bは、自らが選任及び監督するのであれば、Aの意向にかかわらず、いつでもEを復代理人として選任して売買契約を締結させることができる。

4

Bは、Aに損失が発生しないのであれば、Aの意向にかかわらず、買主Fの代理人にもなって、売買契約を締結することができる。

3.

Aは、Bに対し建物を賃貸し、月額10万円の賃料債権を有している。この賃料債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1

Aが、Bに対する賃料債権につき支払督促の申立てをし、さらに期間内に適法に仮執行の宣言の申立てをしたときは、消滅時効は中断する。

2

Bが、Aとの建物賃貸借契約締結時に、賃料債権につき消滅時効の利益はあらかじめ放棄する旨約定したとしても、その約定に法的効力は認められない。

3

Aが、Bに対する賃料債権につき内容証明郵便により支払を請求したときは、その請求により消滅時効は中断する。

4

Bが、賃料債権の消滅時効が完成した後にその賃料債権を承認したときは、消滅時効の完成を知らなかったときでも、その完成した消滅時効の援用をすることは許されない。

4.

相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1

土地の所有者は、境界において障壁を修繕するために必要であれば、必要な範囲内で隣地の使用を請求することができる。

2

複数の筆の他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる。

3

Aの隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、Aはその根を切り取ることができる。

4

異なる慣習がある場合を除き、境界線から1m未満の範囲の距離において他人の宅地を見通すことができる窓を設ける者は、目隠しを付けなければならない。

5.

担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

抵当権者も先取特権者も、その目的物が火災により焼失して債務者が火災保険請求権を取得した場合には、その火災保険金請求権に物上代位することができる。

2

先取特権も質権も、債権者と債務者との間の契約により成立する。

3

留置権は動産についても不動産についても成立するのに対し、先取特権は動産については成立するが不動産については成立しない。

4

留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有する必要があるのに対し、質権者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、質物を占有する必要がある。

6.

民法第379条は、「抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

抵当権の被担保債権につき保証人となっている者は、抵当不動産を買い受けて第三取得者になれば、抵当権消滅請求をすることができる。

2

抵当不動産の第三取得者は、当該抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生した後でも、売却の許可の決定が確定するまでは、抵当権消滅請求をすることができる。

3

抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法第383条所定の書面を送付すれば足り、その送付書面につき事前に裁判所の許可を受ける必要はない。

4

抵当不動産の第三取得者から抵当権消滅請求にかかる民法第383条所定の書面の送付を受けた抵当権者が、同書面の送付を受けた後2か月以内に、承諾できない旨を確定日付のある書面にて第三取得者に通知すれば、同請求に基づく抵当権消滅の効果は生じない。

7.

法定地上権に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定、判例及び判決文によれば、誤っているものはどれか。

(判決文)

 土地について1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合には、土地と地上建物を同一人が所有するに至った後に後順位抵当権が設定されたとしても、その後に抵当権が実行され、土地が競落されたことにより1番抵当権が消滅するときには、地上建物のための法定地上権は成立しないものと解するのが相当である。

1

土地及びその地上建物の所有者が同一である状態で、土地に1番抵当権が設定され、その実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

2

更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。

3

土地に1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なっていたとしても、2番抵当権設定時に土地と地上建物の所有者が同一人となれば、土地の抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

4

土地の所有者が、当該土地の借地人から抵当権が設定されていない地上建物を購入した後、建物の所有権移転登記をする前に土地に抵当権を設定した場合、当該抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

8.

売主Aは、買主Bとの間で甲土地の売買契約を締結し、代金の3分の2の支払と引換えに所有権移転登記手続と引渡しを行った。その後、Bが残代金を支払わないので、Aは適法に甲土地の売買契約を解除した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1

Aの解除前に、BがCに甲土地を売却し、BからCに対する所有権移転登記がなされているときは、BのAに対する代金債務につき不履行があることをCが知っていた場合においても、Aは解除に基づく甲土地の所有権をCに対して主張できない。

2

Bは、甲土地を現状有姿の状態でAに返還し、かつ、移転登記を抹消すれば、引渡しを受けていた間に甲土地を貸駐車場として収益を上げていたときでも、Aに対してその利益を償還すべき義務はない。

3

Bは、自らの債務不履行で解除されたので、Bの原状回復義務を先に履行しなければならず、Aの受領済み代金返還義務との同時履行の抗弁権を主張することはできない。

4

Aは、Bが契約解除後遅滞なく原状回復義務を履行すれば、契約締結後原状回復義務履行時までの間に甲土地の価格が下落して損害を被った場合でも、Bに対して損害賠償を請求することはできない。

9.

Aは、生活の面倒をみてくれている甥のBに、自分が居住している甲建物を贈与しようと考えている。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

AからBに対する無償かつ負担なしの甲建物の贈与契約が、書面によってなされた場合、Aはその履行前であれば贈与を撤回することができる。

2

AからBに対する無償かつ負担なしの甲建物の贈与契約が、書面によらないでなされた場合、Aが履行するのは自由であるが、その贈与契約は法的な効力を生じない。

3

Aが、Bに対し、Aの生活の面倒をみることという負担を課して、甲建物を書面によって贈与した場合、甲建物の瑕疵については、Aはその負担の限度において、売主と同じく担保責任を負う。

4

Aが、Bに対し、Aの生活の面倒をみることという負担を課して、甲建物を書面によって贈与した場合、Bがその負担をその本旨に従って履行しないときでも、Aはその贈与契約を解除することはできない。

10.

Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1

A所有の甲土地にAが気付かなかった瑕疵があり、その瑕疵については、Bも瑕疵であることに気づいておらず、かつ、気付かなかったことにつき過失がないような場合には、Aは瑕疵担保責任を負う必要はない。

2

BがAに解約手付を交付している場合、Aが契約の履行に着手していない場合であっても、Bが自ら履行に着手していれば、Bは手付を放棄して売買契約を解除することができない。

3

甲土地がAの所有地ではなく、他人の所有地であった場合には、AB間の売買契約は無効である。

4

A所有の甲土地に抵当権の登記があり、Bが当該土地の抵当権消滅請求をした場合には、Bは当該請求の手続が終わるまで、Aに対して売買代金の支払を拒むことができる。

11.

現行の借地借家法の施行後に設定された借地権に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

1

借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合で、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借契約の解約の申入れをすることができる。

2

借地権の当初の存続期間が満了する場合において、借地権者が借地契約の更新を請求したときに、建物があるときは、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときでも、その異議の理由にかかわりなく、従前の借地契約と同一の条件で借地契約を更新したものとみなされる。

3

借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合、借地権者は地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。

4

借地権の当初の存続期間が満了し借地契約を更新する場合において、当事者間でその期間を更新の日から10年と定めたときは、その定めは効力を生じず、更新後の存続期間は更新の日から20年となる。

12.

A所有の甲建物につき、Bが一時使用目的ではなく賃料月額10万円で賃貸借契約を締結する場合と、Cが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として無償で使用貸借契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1

BがAに無断で甲建物を転貸しても、Aに対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情があるときは、Aは賃貸借契約を解除できないのに対し、CがAに無断で甲建物を転貸した場合には、Aは使用貸借を解除できる。

2

期間の定めがない場合、AはBに対して正当な事由があるときに限り、解約を申し入れることができるのに対し、返還時期の定めがない場合、AはCに対していつでも返還を請求できる。

3

Aが甲建物をDに売却した場合、甲建物の引渡しを受けて甲建物で居住しているBはDに対して賃借権を主張できるのに対し、Cは甲建物の引き渡しを受けて甲建物に居住していてもDに対して使用借権を主張することができない。

4

Bが死亡しても賃貸借契約は終了せず賃借権はBの相続人に相続されるのに対し、Cが死亡すると使用貸借契約は終了するので使用借権はCの相続人に相続されない。

13.

建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1

管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。また、招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。

2

法又は規約により集会において決議をすべき場合において、これに代わり書面による決議を行うことについて区分所有者が1人でも反対するときは、書面による決議をすることができない。

3

建替え決議を目的とする集会を招集するときは、会日より少なくとも2か月前に、招集通知を発しなければならない。ただし、この期間は規約で伸長することができる。

4

他の区分所有者から区分所有権を譲り受け、建物の専有部分の全部を所有することとなった者は、公正証書による規約の設定を行うことができる。

14.

不動産の表示の登記についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1

土地の地目について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、当該地目に関する変更の登記を申請しなければならない。

2

表題部所有者について住所の変更があったときは、当該表題部所有者は、その変更があったときから1月以内に、当該住所についての変更の登記の申請をしなければならない。

3

表題登記がない建物(区分建物を除く。)の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。

4

建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

 

 

解答

 

1.

▶正解: 4
1 正 表意者に重大な過失があったときは、表意者は錯誤を理由に無効を主張することはできません。

2 正 表意者が錯誤を認めず無効を主張する意思がない場合、第三者が錯誤を理由に無効を主張することはできません。錯誤無効は、表意者を保護するための制度だからです。

3 正 意思表示の動機に錯誤があっても、原則として無効の主張はできません。相手方に内心の動機は分からないからです。もっとも、表意者が動機を意思表示の内容とし、その旨が相手方に表示されたときは、相手方も認識することができますので、錯誤無効を主張することができます。

4 誤 動機の表示は、必ずしも明示的なものである必要はなく、黙示的なものであっても足ります。

2.

▶正解: 2
1 誤 代理人Bが自らを売主と表示して契約を締結した場合であっても、相手方Cが、Bは本人Aの代理人として契約をしていることを知っていたときは、売買契約の効力は本人Aと相手方Cの間に帰属します。

2 正 制限行為能力者であっても代理人になることができます。ですから、本人は、代理人が制限行為能力者であることを理由に契約を取り消すことはできません。

3 誤 任意代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事情があるときでなければ、復代理人を選任することはできません。

4 誤 本人の両方の許諾がある場合等でなければ、当事者双方の代理人となって契約を締結することはできません。

 

3.

▶正解: 3
1 正 支払督促の申立てをした後、適法に仮執行宣言の申立てをしたときは、消滅時効は中断します。

2 正 時効の利益は、時効完成前にあらかじめ放棄することができません。

3 誤 内容証明郵便による支払の請求は、催告にあたり、それだけでは時効は中断しません。時効を中断させるためには、催告後6ヵ月以内に訴えの提起をするなど、裁判上の請求をすることが必要となります。

4 正 消滅時効の完成後に債務を承認した場合、時効の完成を知らなかったとしても、時効を援用することはできません。時効は援用されないだろうという相手方の期待を保護するためです。

4.

▶正解: 2
1 正 土地の所有者は、境界において障壁を修繕するために必要であれば、必要な範囲内で隣地の使用を請求することができます。

2 誤 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができます。しかし、通行の方法は、通行者にとって必要な範囲で、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければなりません。

3 正 隣地の竹木の根が境界線を越える場合は、自ら切り取ることができます。なお、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合には、自分で切り取ることはできず、竹木の所有者に切除させることができるにとどまります。

4 正 境界線から1m未満の距離において他人の宅地を見通すことができる窓または縁側を設ける者は、目隠しを付けなければなりません。

5.

▶正解: 1
1 正 抵当権者も先取特権者も、目的物の滅失によって債務者が取得した火災保険金請求権に、物上代位することができます。

2 誤 質権の成立には質権者と質権設定者の間の設定契約が必要であり、目的物の引渡によって効力が生じます。これに対して、先取特権は、法律で定めた特定の債権について当然に認められるため設定契約は必要ありません。

3 誤 留置権と先取特権は、動産・不動産のどちらにも成立します。

4 誤 留置権者も質権者も、目的物を善良な管理者の注意をもって占有する必要があります。

6.

正解: 3
1 誤 主たる債務者や保証人は、抵当権消滅請求を行うことができません。これらの者は、債務の履行をしなければならない者だからです。

2 誤 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければなりません。

3 正 抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法第383条所定の書面を送付すれば足り、事前に裁判所の許可を受ける必要はありません。

4 誤 抵当権者が、抵当権消滅請求を承諾できない旨を書面で第三取得者に通知すれば、抵当権消滅請求の効果を否定できる、という制度はありません。抵当権者が、抵当権消消滅請求を拒むには、2ヶ月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしなければなりません。

7.

▶正解: 3
1 正 法定地上権が成立するには、①土地に抵当権を設定したときに土地の上に建物が存在し、②その所有者が同一人であり、③抵当権の実行により土地と建物の所有者が異なるに至ったことが必要です。本肢はこの要件を充たしています。

2 正 法定地上権が成立するためには、土地に抵当権を設定したときに土地の上に建物が存在していなければなりません。更地である場合は、土地の抵当権者が抵当権設定後に建物が建築されることを承認したときであっても、建物について法定地上権は成立しません。

3 誤 法定地上権が成立するためには、1番抵当権を基準として、抵当権設定時に、土地とその土地上の建物の所有者が同一人でなければなりません。したがって、1番抵当権の設定時に、土地と建物の所有者が異なる場合には、法定地上権は成立しません。

4 正 ①土地に抵当権を設定したときに土地の上に建物が存在し、②その所有者が同一人であり、③抵当権の実行により土地と建物の所有者が異なるに至ったときは、建物について所有権移転登記がされていなくても、法定地上権が成立します。

8.

▶正解: 1
1 正 Bの債務不履行を理由にAがAB間の売買契約を解除した場合、解除前のCは、登記を備えていれば、悪意であっても保護されます。

2 誤 契約が解除された場合、当事者は互いに原状回復義務を負います。目的物の引渡しを受けていた買主は、当該目的物の返還とともに、引渡しを受けていた間に目的物を使用収益して得た利益も売主に返還しなければなりません。

3 誤 契約が解除された場合、当事者が負う原状回復義務は同時履行の関係に立ちます。これは、どちら側の債務不履行であっても同様です。

4 誤 解除によって契約はさかのぼって消滅しますが、損害があるときは、その損害の賠償を請求することができます。したがって、原状回復義務を履行するまでの間の土地価格の下落分等の損害についても、賠償を請求することができます。

9.

▶正解: 3
1 誤 書面によってなされた贈与は、撤回することができません。なお、書面によらない贈与は、履行が終わった部分を除き、各当事者がいつでも撤回することができます。

2 誤 書面によらない贈与契約も有効に成立しますので、贈与者Aは、債務を履行する法的義務を負います。

3 正 Aの生活の面倒をみるという負担を付けて贈与をしたAは、その負担の限度で、売買契約の売主と同じ担保責任を負います。

4 誤 Aの生活の面倒をみるという負担付の贈与において、受贈者Bが負担する義務の履行を怠るときは、贈与者Aは、債務不履行を理由に贈与契約の解除をすることができます。

10.

▶正解: 4
1 誤 売主の担保責任は無過失責任(過失がなくても負う責任)です。そのため、買主Bが瑕疵について善意無過失(過失なく瑕疵を知らなかった)であれば、たとえ売主Aが善意で無過失であっても、Aは担保責任を負わなければなりません。

2 誤 解約手付が交付された場合、相手方が履行に着手するまで、手付による解除をすることができます。したがって、Bは、自らが履行に着手していたとしても、Aが履行に着手するまでの間は、手付を放棄することにより契約を解除することができます。

3 誤 民法上、他人物売買は有効です。したがって、甲土地がAの所有地ではなく、他人の所有地であった場合であっても、AB間の売買契約は有効です。

4 正 買主Bは、買い受けた不動産について抵当権の登記があるときは、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、売主Aに対して代金の支払を拒むことができます。

11.

▶正解: 4
1 誤 契約の更新後に建物が滅失し、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は解約申入れ等ができます。しかし、借地権の「当初」の存続期間が満了する前においては、借地権設定者による解約申入れ等は認められません。

2 誤 借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、契約を更新したものとみなします。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べるときは、その異議に正当事由が認められるときに限って、更新を拒絶することができます。

3 誤 契約の更新後に建物の滅失があった場合、借地権者は、地上権の放棄または土地の賃貸借の解約の申入れをすることができます。しかし、当初の存続期間中に滅失があっても、解約申し入れ等はできません。

4 正 当事者が借地契約を更新する場合、その期間は、借地権の設定後の最初の更新にあっては20年、2回目以降の更新にあっては10年となります。この規定より借地権者に不利な特約は、無効となります。

12.

▶正解: 2
1 正 賃借人Bが賃貸人Aに無断で甲建物を転貸しても、Aに対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情があるときは、Aは賃貸借契約を解除することができません(建物賃貸借、借家のルール)。これに対し、使用借人Cが使用貸人Aに無断で甲建物を転貸した場合には、Aは使用貸借を解除できます(使用貸借のルール)。

2 誤 期間の定めがない建物賃貸借については、貸主は正当な事由があるときに限り、解約を申し入れることができます(建物賃貸借、借家のルール)。他方、返還時期の定めがない使用貸借については、貸主は、借主が契約に定めた目的に従い使用収益を終わったとき、または、使用収益をするのに足りる期間が経過したときに、返還の請求をすることができます(使用貸借のルール)。

3 正 Aが甲建物をDに売却した場合、甲建物の引渡しを受けて甲建物で居住している賃借人Bは、Dに対して賃借権を主張できます(建物賃貸借、借家のルール)。これに対し、使用借人Cは、甲建物の引渡しを受けて甲建物に居住していても、Dに対して使用借権を主張することができません(使用貸借のルール)。

4 正 Bが死亡しても賃貸借契約は終了せず、賃借権はBの相続人に相続されます(建物賃貸借、借家のルール)。これに対し、Cが死亡すると使用貸借契約は終了するので、使用借権はCの相続人に相続されません(使用貸借のルール)。

13.

▶正解: 4
1 正 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければなりません。また、招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に発しなければなりません。ただし、この期間は、規約で伸縮することができます。

2 正 法又は規約により集会において決議をすべき場合において、これに代わり書面による決議をするためには、全員の同意が必要です。したがって、区分所有者が1人でも反対するときは、書面による決議をすることができません。

3 正 建替え決議を目的とする集会を招集するときは、会日より少なくとも2か月前に、招集通知を発しなければなりません。ただし、この期間は規約で伸長することができます。

4 誤 公正証書により一定事項についての規約を設定することができるのは、最初に建物の専有部分の全部を所有する原始取得者に限られます。ですから、原始取得者から譲渡された者は、この規約を設定できません。

14.

▶正解: 2
1 正 土地の地目について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1ヶ月以内に、当該地目に関する変更の登記を申請しなければなりません。

2 誤 表題部所有者に氏名・住所の変更があったとしても、氏名・住所についての変更の登記の申請義務はありません。

3 正 表題登記がない建物(区分建物を除く。)の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1ヶ月以内に、表題登記を申請しなければなりません。

4 正 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1ヶ月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければなりません。

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